こうじマガジンNO.31(2002.06.10)  

「防災対策」

 私は広島市南区宇品で生まれ育ちましたが、
小さい頃は台風シーズンになると高潮で、
よく床上・床下浸水していたのを覚えています。
平成2年に広島に帰ってきて
政治活動を始めてからも2回ほど浸水しました。
5年に1回は高潮被害が起こり得ると考えられます。
広島市は南に海面を埋め立てて発展してきたわけですが、
そのために高潮対策は最も重要な防災対策です。

最近気になるニュースの一つに、
宮島の社殿群が冠水した、というのがあります。
昨年は3回冠水していおり、
観光客数にも影響しているといわれています。
異常潮位と考えられていますが、
地球温暖化による海面上昇が
影響しているのではないかと考え、
県当局に問い合わせてみました。
回答は、「瀬戸内海の潮位変化データについて、
県では説明できるデータをもってないが、
海上保安庁のデータによると、
この40年間で18cmの上昇が確認できるし、
2100年までには88cm上昇するというデータもある。
県として独自の分析・評価は行っていないが、
平成14年3月に国土交通省に異常潮位検討委員会が設けられ、
今年度中に瀬戸内海での異常潮位の原因究明が行われる」
というものでした。

海岸部に住む私達の生活実感からすると、
浸水までいかなくても道路の冠水(丹那町等)や
越波という現象は頻繁になってきており、
実際に40年間で20p近く海面が上昇して
本当に大丈夫なのか、と不安になってきます。

長期的には高潮堤防の高さの見直しや
再整備も必要になってくるでしょう。
短期的には今の高潮堤防で
最大限守っていかなければなりません。

その際に問題になってくるのが、防潮扉です。
「ぼうちょうとびら」と読みますが、
海岸部にご縁のある方でないと
あまりピンとこないと思います。

広島港の海面と接する部分は、
港湾施設として利用されているスペースがほとんどです。
海には当然干満がありますし、
人の乗降りや荷物の積み出しのためには、
高潮堤防の上や堤防を乗り越えたりしていては
不便で効率が落ちます。
したがって、堤防の一定部分を切り取って、
開閉可能な扉を付けて、通常は開けて作業をし、
必要な時に扉を閉めて高潮に備える
という方法をとっています。
広島港にはこうした防潮扉が326あります。

平成3年の台風19号、
平成11年の台風18号の際に宇品地区では
床上・床下浸水という被害を受けましたが、
これらはいずれも防潮扉が水圧で壊れた、とか、
きちっと閉めていなかったということも
原因の一つとして考えられます。

台風が近づいてきてどの時点で防潮扉を閉鎖するのか、
港湾施設の利用という経済活動とのからみで
難しい判断です。

また閉鎖と決まってからも
326全部の扉を閉めるのに2時間かかります。
地震等による津波被害が予想される場合には
対応不可能とも言えます。

ハードの問題でいえば、
従来の鉄製の扉は重くて操作しにくく、
腐食も進むということで、
平成3年から平成11年にかけて
アルミニウム製のものに随時更新し、
平成15〜16年には整備完了予定とのことです。

この防潮扉のハード面での管理と、
緊急時におけるソフト面での対応によって、
具体的な高潮被害は
かなり避けられるのではないかと考えています。


<主な行事>

6月3日(月) 街頭演説 皆実町6丁目
6月4日(火) 葬儀(西区)
6月5日(水) パワーウォーク 皆実町5丁目
6月6日(木) 故宮会(中国文化好きの親睦会です)
6月7日(金) 増原 義剛 衆議院議員を応援する修道同窓有志の会
6月8日(土) 宇品葵祭り

  (※パワーウォークとして、一日50人の方にお会いすることを目標に
   南区を訪問して歩いています。)

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