こうじマガジンNO.87(2004.1.23)  

「乳幼児医療費無料制度」

こうじマガジンNO.83「12月定例県議会」では、
私が委員長を務めております生活福祉保健委員会で、
「乳幼児医療費無料制度の充実を求める請願」を
継続審査としたことをご報告いたしました。

現在平成16年度の予算編成に当たって、
この制度の充実が大きな焦点になってきております。
今回はこの問題についてご報告いたします。

少子化への対応として、
子育て負担の経済的な軽減を図るということは、
子育て世代の私自身も重要な施策であると
考えています。

広島県の現状は、「通院が3歳未満、
入院が4歳未満」となっています。
この制度は現物支給ですので、
3歳までの子どもさんがお医者さんにかかっても、
窓口でお金を払う必要はありません
(所得制限が設けられており、
高所得の2割弱の方々は対象外となります)。

県の事業費は14億円(市町村に半額補助、
広島市の場合は4割補助)です。
広島市の場合は昨年10月から既に
「通院4歳未満、入院は就学前まで」と
県に比較して充実しています。

全国的には「通院・入院ともに就学前まで」
という都府県が、東京都をはじめ6都府県あり、
広島市並みもしくはそれ以上の無料制度を
実施しているのは15都府県に上っています。

この制度充実のための執行部案は、
「対象年齢を通院・入院とも一気に就学前まで
引き上げるが、この制度を持続可能なものと
するため一部負担(一日500円)を導入する」
というものでした。

介護保険や前回ご報告した小児難病対策、
難病対策等福祉制度全体が、
対象年齢を広げる代わりに自己負担を導入する、
という方向に流れている、
つまり「薄く広くある程度は自己責任」で、
という方向です。

この改革で最も打撃を受けるのは
身体の弱い(重病の)低所得の方々
ということになります。
このことを政治的にどうとらえるか、
というのが第一の問題です。

次に財政的にどうなのか、という問題があります。
通院・入院ともに就学前まで引き上げると、
県の事業費は約32億円になります。
これに各市町村の負担分が乗りますから、
就学前までの子どもさんの医療費総額
(3割負担分)は県内で64億円ということになります。

一日500円の自己負担が導入されると、
総額28億円分が対象者となる15万人から
支払われると試算しております
(1人当り年間2万円弱の負担)ので、
差額の36億円の半分、18億円が
県の事業費ということになります。
現在の事業費から見ると、4億円が
上乗せされたにすぎないということになります。

この制度導入で利用者は増加すると
県当局は試算しており、一部自己負担を
導入しても平成21年度にはこの事業費は
23億円になると試算しています
(自己負担を導入しない場合は38億円)。

現在の事業費からみると9億円
(自己負担を導入しない場合は24億円)
増えることになります。財政的に
持続可能というラインは一体どこなのか、
という疑問があります。

第3の問題は、
この制度は本当に少子化対策として
効果があるのか、ということです。

昭和48年にこの制度は創設されていますが、
現実的には少子化に対して効果を上げていません。
であれば制度の充実が必要であり、
さらにこの制度を継続するということであれば、
制度の後退(自己負担の導入)ということは
避けなければならない、ということです。

せめて現在の制度「通院3歳未満、
入院4歳未満」の無料化は維持して、
それから就学前までの今回の新たな
充実策の部分は一部自己負担を導入する、
という方向に変えるべく努力して参りたいと思います。

<主な行事>
1月16日(金) 増原 義剛衆議院議員新年互礼会、広響定期コンサート
1月17日(土) 保護司業務、宇品体協ソフトバレー
1月18日(日) 広島・地方行政研究所新年会、島根フェア、南区老人クラブ新年研修会
1月19日(月) 生活福祉保健委員会、乳幼児医療費勉強会、県議会4会派新年会
1月20日(火) 段原街頭演説、宇品女性会新年会、会派会議(予算)
1月21日(水) 書類整理、中区役所へ地元要望
1月22日(木) 地域の陳情を受ける、介護保険施設訪問、会派会議(予算)
1月23日(金) メルマガ原稿作成、宇品東女性会新年会、一家言の会

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