こうじマガジンNO.248 (2009.10.28)  

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こうじマガジン NO.248

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「2009年10月8日から2009年10月15日までのダイアリー」



●●2009年10月8日●●


「坂の上の雲。」

松下政経塾に入塾した昭和61年22歳の時寮のランドリーで洗濯していると、
5期先輩で翌年(昭和62年)に神奈川県議会議員に挑戦する
横田光弘先輩がやってきて、「ちょっと借りるね」
と同じく洗濯を始められました。

待っている間文庫本を熱心に読まれていたので、
「何を読まれているんですか」とお聞きしたところ、
「坂の上の雲」(司馬遼太郎)でした。
「自分をかきたてるために2回目だけど読んでるんだ」とのことでした。

私も興味を持ち、このとき全8巻を読みました。
今この作品はNHKがテレビ化して放映する予定ですが、
私ももう一度読んでみようと思っています。
自分をかきたてるため、
自らの初志を確認するため、
政権交代後の時代認識をもう一度立て直すため、
いろんな思いをこめて読んでみようと思います。


●●2009年10月9日●●


「民主党広島県連拡大幹事会。」

朝10時半から民主党広島県連拡大幹事会に出席(ワークピア広島)。
8月30日の総選挙の結果を受けて、初めての幹事会が9月13日に開かれ、
今日の拡大幹事会までに3回の幹事会、
そして広島県知事選挙に向けての調整を目的に設置された三者連絡会
(民主党広島県連、連合広島、民主県政会)が
18日の第1回をスタートに4回開催されています。

一定の方向性は示されたわけですが、総選挙でも圧倒的な声となった
「変化を求める」流れがこの広島県においてどう示されるのか、
予断を許さない状況だと感じています。戦いには旗、大義が必要です。
県民の皆さんの視線では、「だれがこの広島県を変えてくれるのか」
という点が最大の関心事でしょう。政権交代を実現し、
今公約実現にひた走る民主党の旗は、こうした県民の期待に合致するもので、
この旗を大きく掲げて戦ってこそ
「流れに乗れる=県民の期待に応えられる」と私は信じています。

残念ながら今回の知事選でどれくらいこの旗が掲げられるか、
まだまだ未知数ですが、これは単なる選挙に勝つための方便ではなく、
そこには理想と思想がぎっしり詰まっていること、
そのことを広島県においても実行に移していくことが
県民の期待に応えることだと思っています。
政策そっちのけの権力闘争とご批判をいただきますが、
民意を集約していくという過程では当然衝突はつきもので、
そこを乗り越えていくというのが政治の試練であり、
これを否定してしまえば永久に土俵に立つことすらできず、
その声は犬の遠吠えに過ぎないことになります。

これから各候補から具体的な政策マニュフェストが提示されると思います。
私たちはその過程にしっかりと関与していくことが大事ですが、
どうも今回はその辺りもあいまいにごまかしていこう
という雰囲気がしてなりません。
時間もないしまずは選挙に勝ってから、
注目される両陣営ともそんな感じがしてきています。
県民にとってわかりやすい選択肢を是非示していただきたいと思います。



●●2009年10月10日●●


「宇品神田神社秋祭り、幟立て。」

来週18日(日)の宇品神田神社秋祭りに備えて、
今日は町内会(宇品西一丁目)で幟立てがあり、お手伝いしました。

5メートル近くある竹の幟旗を、電柱を支えに立てていく作業ですが、
町内で12本立てる作業は結構大変です。
約2時間かけて終了しました。
幸い天候にも恵まれて、気持ちいい汗をかきました。


●●2009年10月12日●●


「宇品東学区秋季球技大会。」

朝8時過ぎから宇品東学区秋季球技大会の開会式に出席しました
(宇品東小学校)。秋はグランドゴルフを各町内対抗で行います。

終了後は事務所で来客対応の後、
午後は久しぶりに子どもたちとキャッチボールを楽しみました。
天気にも恵まれ、気持ちの良い体育の日を過ごすことができました。


●●2009年10月15日●●


「総務委員会県外調査。」

13日(火)から15日(木)まで
二泊三日で総務委員会の県外調査を行いました。
10時半広島空港発のJAL便で北海道新千歳空港へ。
昼食後2時半から最初の調査地、夕張郡栗山町役場を訪問しました。

栗山町は人口1万4千人あまりの町で、札幌まで車で1時間あまり、
人口減少と少子高齢化に悩む典型的な過疎地域です。
今年は長雨の影響で水稲、小麦ともに不作のようですが、
この町にとっては開拓120周年、町制施行60周年の大事な年にあたるそうです。
ここでは過疎対策として、5大学との協定締結によるまちづくり、
まちづくり100人委員会の設置と、工夫を重ねていることが特徴です。

私が注目したのは、財団法人コカ・コーラ教育・環境財団が、
約2億円を拠出し、栗山町、NPO法人雨煙別小学校とともに、
栗山町の廃校を環境教育などを行う宿泊可能な施設
「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」として再生したことです。
なぜ全国的な財団がこの町の廃校に注目したのか、
この答えが5大学との協定締結にありました。
その中の桐蔭横浜大学の先生がこのプロジェクトをリードしたとのことで、
これは非常に大きな成果だと感じました。
あきらめずにこうした努力を続けていれば、
大きな成果が得られるという事例だと思います。
広島県内にも過疎に悩む町や地域はたくさんあります。
たいへん参考になる取り組みだと感じました。終了後は札幌市に移動し、
この日は札幌泊。


14日(水)は午前10時札幌丘珠空港発のANA便で稚内空港へ移動。
昼食後ノシャップ岬を訪れ、稚内市役所へ向いました。
ここでは稚内市の「新エネルギーを活用したまちづくり」について
説明を受けました。こののち稚内公園無料休憩所内エネルギーサイト、
大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究施設を調査しましたが、
私自身ここまで新エネルギーの取り組みが進んでいるとは本当に驚きでした。
風力、太陽光、水素、バイオ、燃料電池等、
新エネルギーはまだまだ実験段階で、
もともとCO2削減が叫ばれるようになってからスタートしたばかりで、
実用化にはまだまだ時間がかかるし、
効率面からいってもエネルギー供給において
補助的な役割しか果たすことはないだろう、と思っていましたから
稚内市の取り組みを調査して驚いたわけです。

稚内市は人口4万人あまりの都市ですが、
(株)ユーラスエナジー宗谷(宗谷岬ウィンドファームは57基で
総事業費は120億円)等が運営する風車74基による風力発電と、
前述した5000kW(一般家庭1,700世帯に相当)の太陽光発電で、
市内電力需要の85%をカバーできるそうです。

単純に人口16万人の広島市南区で考えてみると、
人口規模が4倍なので太陽光発電施設が4倍必要とすると、
その敷地面積は56ha、東京ドーム12個分の敷地面積が必要となり、
風力発電も4倍必要とすると風車がさらに200基近く必要となり、
その敷地面積も宗谷岬丘陵の約1,500haの4倍もの広大な土地が
必要となるわけで、これはもう不可能な数字になります。
風力発電施設にはさらに年平均風速が6.5m/s以上が必要であり
温暖な瀬戸内海ではまず無理でしょう。
稚内市では各家庭への送電施設は北海道電力の力を借りる必要はありますが、
風力・太陽光で85%の電力需要をカバーしているという
エネルギーの自給自足体制が成立していることになります。

もう一つエネルギー効率という観点から見ると
最も効率の高い原子力発電を1とすると、風力は10、太陽光は100と
効率は圧倒的に悪くなります。安定した電力供給という観点から見ると、
大変非効率な方法であることになります。
CO2削減とエネルギー効率、この辺りを電力会社とどう調整するのか、
大きな課題です。この日は稚内市泊。


15日(木)は朝8時半に宿舎を出発し、
「日本最北端の地」宗谷岬を見学した後、
前述した「宗谷岬ウィンドファーム」の施設調査を行いました。
昨日今日と幸い天候にも恵まれ、西側のノシャップ岬からも、
今日の宗谷岬からも約50km先のサハリン島がうっすらと望めました。
村上春樹のベストセラー「1Q84」で、
ロシアの文豪チェーホフの「サハリン島」が登場します。
この島の先住民族ギリヤーク人を、「気の毒なギリヤーク人」として
章立てしています。チェーホフは若い頃、
何を思ったかこのさいはての地「サハリン島」を旅して、
その旅行記を残したわけですが、日本にとっても縁の深い島です。

ちょうど稚内市では間宮海峡発見200年記念事業「間宮林蔵展」
が開催中でした。サハリン島が島であること、
つまり間宮海峡を最初に発見した人物が間宮林蔵です。
第二次世界大戦まではその南半分は日本領であった島でもあります。
今度は是非サハリンに渡りたいと思っています。
昼食後1時過ぎのANA便で稚内空港から羽田空港へ、
さらに4時前のANA便で広島空港へ、
7時前に到着、無事総務委員会県外調査を終えることができました。




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