未来潮流バックナンバー

 35.介護保険制度について(2)

平成12122日 

 昨年9月のレポートVol.18で「介護保険制度について」述べさせていただきましたが、今回はその続編です。最近2回ほど介護保険についての講演依頼をうけ、段原と東雲へ行って参りました。また、これから介護事業に参加したいという民間企業の方からもご相談を受けたりと、介護保険導入を前に私のまわりでも動きが始まっております。

 介護保険制度についてはいろんな論点があります。主なものを上げてみますと、(1)保険料徴収で行政の福祉予算を削り、「人間のやさしさ」を基本に据えた暖かい福祉から、冷たいビジネスライクな福祉に変わるのではないか、
(2)昨年の自自公合意の際の議論でもあったように、現状では「保険あってサービスなし」ということになりはしないか、
(3)高齢化が進むにつれて保険料は上がり、それでも支えきれず医療保険とともに保険財政がパンクしてしまうのではないか、
(4)「親の面倒を子どもがみる」という家族介護を軽視しすぎではないか、といったものです。今回の自自公合意による見直しで、保険料の徴収延期と慰労金の給付が決まり、財源として
1兆円程度の赤字国債が計上されています。これは民主党からは、「選挙目当ての無責任なバラマキ」と非難されています。実際に一番整備が遅れているグループホーム(5〜9人の軽度から中度の痴呆症のお年寄りが共同生活をする場のこと)について、小学校区に一つ建設しようとした場合、全国で2万ヶ所で、1ヶ所の建設補助が3000万円とすれば6000億円で、今回の1兆円でおつりがくる計算になります。

また、子が親を介護する場合支給される介護手当については、
@従来の介護見舞金と同じで、介護に使われない場合もあり、政策効果が見えないのは明らか、
A市町村の在宅サービスの拡充努力にブレーキがかかるし、介護ビジネスにも悪影響を与える、といった批判があります。

そもそも「この介護保険を福祉の柱にする」というコンセンサスが十分にとれていなかったのではないかとも思えます。実際に地域の方々と介護保険の話をすると、制度自体の認識度がまだまだ低いし、出費についての不安が先立ち、全体像が見えていない状況だと思います。高齢化社会を支えるシステムについて、現実と理想・政治と行政が交錯しています。4月からの導入後、しばらく混乱が予想されますが、常にベストを求め真剣に取り組んで参ります。


(今週の活動)

117()  潟pーキテック訪問

118()  安芸灘大橋開通式典

119()  建設委員会

120()  介護保険勉強会

121()  宇品東女性会新年会

122()  高潮対策30周年記念式

123()  家族と過ごす


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