未来潮流バックナンバー

 40.出島地区港湾整備事業第1工区の問題について

平成12年2月28日 

 2月中旬になって、広島県・広島市の平成12年度の予算案が出てきました。どちらも実質的な昨年度比マイナス予算となっております。その中で注目されているのが、県が埋め立てた出島地区第1工区(10.8f)を来年度買い取るはずの市が、今回その取得費(約150200億円、時価で売買するため正式な鑑定が必要)を予算計上していない、すなわち買い取り延期を行っていることです。この問題は以前にも「広島港について」(1)〜(5)でふれて参りましたが、広島ポートルネッサンス21計画に関わるものです。

 もう一度この計画を歴史的に見てみましょう。広島港の開発は、昭和58年の港湾計画によると「−7.5bの岸壁を整備していく」という身の丈に合ったものでした。それが昭和62年ごろから大規模プロジェクト化して、平成元年に大幅な港湾計画の改訂を行います。これが広島ポートルネッサンス21事業です。

昨年、建設委員会で新潟県に調査に行った際、ここでも「新潟港ポートルネッサンス
21事業」が進行中だったわけですが、これは運輸省が地方の中核港湾を整備していく際に、コンベンション機能と抱き合わせで港の賑わいを造りだし、船舶の大型化・コンテナ化に対応していくための地方港湾整備を行おうとしたわけです。他にも全国49港湾地区において同様に進められています。

大事なことは、これは広島市が県に「将来的にコンベンション施設を整備したいので、是非土地を造成してほしい」と、形式上は依頼した形になっていますが、実は運輸省の案に乗っただけで、確たる見通しや盛り上がりがあったわけではないということです。広島市は財政上の理由を上げていますが、私は出島地区でコンベンション施設を運営すること自体無理だと思っているのではないか、と推測しています。

ともあれこの計画は、平成
4年の宇品内港地区の埋め立てからスタートし、10年に埋立竣功、12年までに基盤整備完了の予定です。今回の問題の出島地区は、平成83月に埋め立て開始、11年度には第1工区の竣功を見る予定で、平成94月には、市が取得する旨の確認書もかわされています。従って、今回の取得延期の申し入れは、約束を違えた市に大きな問題があるわけです。「お金がないからごめんなさい」ですむ問題ではありません。また、今後の2工区・3工区・4工区の整備にも大きな影響を及ぼします。今こそ計画全体を県・市で見直していく時期だと思います。(次号に続く)

(今週の活動)

221() 全員委員会 

222() 全員委員会 

223() 2月定例県議会開会日 

224() 教育問題研究  

225() 12年度予算勉強会

226() 防衛大広島地域同窓会 

227()  事務所体制打ち合わせ


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