こうじマガジンNO.30(2002.06.03)  
「広島県産業廃棄物埋立税(仮称)」

6月24日(月)から始まる6月定例県議会に
産廃税の条例案が上程されることになっています。

この課税の目的は、
「産業廃棄物の排出抑制、減量化、
リサイクルその他適正な処理に関する
施策に要する費用に充てるため」で、
納税義務者は、
「県内の産業廃棄物の最終処分場へ
産業廃棄物を搬入する排出事業者
(中間処理業者を含む)」となっています。

税率は1000円/トンで、
平成12年度の最終処分量が129万トンですから、
10億円近い税収が見込めます。
これは基金として運用され、
リサイクルの推進(技術開発・施設整備の支援、
リサイクル製品の普及、人材育成・情報基盤整備)、
環境保全活動の支援、
廃棄物適正処理の確保(不法投棄対策、適正処理への支援)
に充てられます。
この課税はあくまでも産廃の排出抑制を目的としているため、
5年間の時限立法としています。

私自身は、県が計画している
出島埋立地区の廃棄物処分場の問題から、
こういった環境問題を詳しく勉強いたしましたので、
広島県の全体像というのがよく見えてなかったため、
今回は全体像についてご報告したいと思います。

まず県内産業廃棄物総排出量は、1433万トンです。
ピンとこない数字ですが、
日常生活で私達が出すゴミ、生活系の一般廃棄物は70万トンで、
事業系の44万トンと合わせて114万トン
(県内一般廃棄物総量)で、
一日県民1人あたり1.1kgの
ゴミを出していることになります
(広島市のゴミ半月分で市民球場が一杯になる量)。
この一般廃棄物の処理は市町村が
責任を持って行うことになっていますが、
どこも手一杯という状況です。

これとは別に13倍近い産業廃棄物が排出されているわけで、
この適正処理への指導は
県の仕事ということになります
(法律では排出者責任が明記されています)。
この膨大な産廃はどう処理されるのか。

まず再生利用量(リサイクルなど)が927万トン、
減量化量(脱水・焼却など)が365万トン。
今この焼却施設も平成14年12月から適用される
ダイオキシンの恒久基準によって、
現在県内で稼動している144の焼却施設のうち
33施設(23%)は基準に適合しておらず
操業できないのではないかと思われます。
そして最終的に残った埋立処分量が
上記の129万トンということになります。

また一般廃棄物の最終処分量は28万トンです。
年間約160万トンの埋立処分が行われていますが、
現在の処分場の残存容量は約250万トンということで、
出島の処分場(190万トン)の
必要性が説かれるわけです。

今回の課税はこの最終処分場に
産業廃棄物を搬入する行為に対して課税されるわけですが、
公共関与(県)の処分場は
全体の4分の1程度ですから、
民間業者の処分量の把握については、
排出事業者に義務づけられている管理票
(マニフェスト、搬入する廃棄物の種類と量が明記されたもの)
に基づいて行われます。

今回の課税による廃棄物の排出抑制効果の予測について、
県当局は全く予測がつかない、
としています。

私自身は処分料金についても
把握検討しておかなければならないと思いますし、
科学技術の進歩による無害化処理
(プラズマ処理やゴミ発電、ガス溶融化)
についても県として
ビジョンを持たねばならないと考えています。

課税については賛成ですが、
効果を最大限にするための施策や、
廃棄物処理についての将来ビジョンがないと
安易な課税とも言われかねません。
議会でしっかり議論していきたいと思います。


<主な行事>

5月27日(月) パワーウォーク 翠2丁目
5月28日(火) パワーウォーク 翠2丁目
5月29日(水) 産廃問題勉強会(事務所)
5月30日(木) 産廃問題勉強会(ベイサイドパレス)
5月31日(金) パワーウォーク 宇品御幸1丁目
6月1日(土) ソフトバレーに参加(宇品小学校体育館)
6月2日(日) 宇品親和会総会、「風の祭典 恵子と共に」
       (アステールプラザ)

  (※パワーウォークとして、一日50人の方にお会いすることを目標に
   南区を訪問して歩いています。)

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